2019年12月05日
こんばんは。ディライト奈良の西本です。
昨日は「装備がシンプルなのもいいのではないですか」という内容のBLOGでしたが、今日は一転、やっぱり「ないよりはあったほうが便利です」というお話です。
皆さんは、《坂道発進》は得意ですか?
私はムルティストラーダ950に乗っていますが、慣れたとはいえやはり足着きはよくないので、坂道発進のときは足元にプラスしてスロットル、ブレーキ、クラッチと結構マシン操作に気を遣います。
さらに荷物を満載したりタンデムだったりすると、ほんと緊張してしまいます。
要するに、「苦手」です。
そんなとき、『ビークル・ホールド・コントロール』システムがあれば、緊張の度合いはかなり軽減されます。
このシステムは、車両停止(0km/h)・サイドスタンドが上がっているときに、フロントまたはリアブレーキを強くかけると即座に起動、リアブレーキが効いた状態になり、約5秒後から徐々にブレーキ効力が解除されていくものです。
ライダーはブレーキ操作を必要とせず、スロットルとクラッチの2つの操作に集中できます。
上り坂の途中の信号が赤だと坂道発進は避けられませんが、『ビークル・ホールド・コントロール』を作動させれば安全に発進できるでしょう。
MULTISTRADA950Sでは、『ビークル・ホールド・コントロール』が作動するとメーターパネル右上にオレンジのマークが点灯し、ブレーキ効力が解除され始めると点滅します。
そして完全に消えたとき、ブレーキも解除されます。
その間、トータルで約10秒。
一度このシステムを作動させて坂道発進するだけで、ありがたみが実感できます!
『ビークル・ホールド・コントロール』は、MULTISTRADA1260シリーズ、2019年のMULTISTRADA950シリーズに採用されています。
ロングツーリングやタンデム走行の機会が多い方には、かなりお勧めですよ!
2019年11月29日
こんばんは。ディライト奈良の西本です。
今回ご紹介するのは、かなりピンポイントな製品です。
2010年~2014年のムルティストラーダ1200シリーズにお乗りで、テルミニョー二のフルエキゾーストキットを装着されている方にはぜひとも取り付けて頂きたいパーツです。
タンデムステップを必要としない方なら、このサイレンサーステーに交換していただければ
とてもレーシーに、見た目にも軽量になります。
このパーツ、ディライト在庫数があと僅か「3」。
無くなればワンオフで作製という手段もありますが、かなり高額になるはず・・・。
一応ムルティストラーダ・テルミフルエキ用ではありますが、取付穴の位置さえ合致すれば、
他の車両に流用してみるのもいいのではと思います。
モノポストサイレンサーステー MTS1200
硬派な一人乗り仕様にするために
2019年11月07日
こんばんは。ディライト奈良の西本です。
安心・安全な走行に不可欠なABS(アンチ・ロック・ブレーキ)システム。
最新のABSシステムはただ単にホイールがロックしないようにしているだけではなく、前後のブレーキ力が連動して最適化される『コンバインド・ブレーキ・システム』になっています。
2019年以降のムルティストラーダ950や1260は6軸慣性測定ユニット(IMU)によって車体の姿勢が緻密に感知されるようになり、コーナリング中でも前後のブレーキ力のバランスを最適化しています。
さらに、走るシチュエーションによって、そこで用いられるライディングテクニックも異なるため、3通りのABS介入レベルが用意されています。
エンデューロ走行ではリアタイヤをロックさせてドリフトさせたりすることが多いため、ABS機能はフロントのみ適用されます(レベル1)。
スポーツ走行ではハードなブレーキングによるリアタイヤの浮き上がりが想定されるため、リアホイールのリフトアップ検出機能は無効となり、前後の制動バランスは最適化、コーナリングABSは機能します(レベル2)。
アーバンおよびツーリングでは安全性が最大に確保されるよう、コーナリングABSとリアホイールのリフトアップ検出機能は有効となり、前後のブレーキバランスもより最適化されます(レベル3)。
バイクの機能がライディングをきめ細かにカバーしてくれるので、より安全性が高まってきました。
しかし、基本にあるのはライダーの適切な操作であり、無茶をしないマインドです。
電子制御の間違った認識は、危険な走行につながっていきます。
バイクの安全性能、そして自分自身を過信しないよう、安全運転を心掛けてください。
2019年11月02日
こんばんは。ディライト奈良の(ムルティ)西本です。
ムルティストラーダのフロントホイール径には、1260シリーズの17インチと950シリーズおよび1260エンデューロの19インチの2種類があります。
皆さんは不思議に思われたことはありませんか?
バイクはバランスの乗り物ですので一部分だけを見てすべてがわかるものではありませんが、フロントホイールにフォーカスを絞ってみたとき、車両全体は「こんな感じかなぁ~」って雰囲気は掴んでもらえると思います。
ひとつの例を挙げてみます。
丸い部分の直径が異なる2つのコマがあります。
直径の大きなコマの方が、安定して回転しますよね。
おおまかに言えば、フロントホイールもこれと同じです。
実際には前後タイヤの幅やフロントフォークの傾き(キャスター角)など、様々な要素が絡んでバランスするので単純ではありませんが、ホイール径の大きな車両は安定性を狙っています。
砂地や未舗装路など、道の状態が不安定なところを走る場合は、安定したハンドリングが求められます。
アスファルトの上を走る場合が大半なら、より軽快な方が長時間のライディングでも疲れにくいでしょう。
ベース車両に重量感があるなら、軽快なハンドリングを狙ってフロントホイールは小径に、
軽量な車体なら、しっとりと安定したコーナリングを求めて大径に。
1260の車両重量は232kg、950は227kg。
安定感のある車両なら軽いハンドリング、軽快な車両なら安定したハンドリング。
そう考えると、1260のエンデューロは254kgの車両重量に19インチ・フロントホイール。
ダンプカーのようなどっしり感を想像してしまいます。
しかしこれは、容量30ℓの燃料タンクを満タンにしたときの不安定さを緩和させるためと、やはり山間部などの未舗装路を走破するときの安定性を求めてのことと思います。
ちなみに、スクランブラーのフロントホイールはシリーズのほとんどが18インチですが、CAFE RACERは17インチ、DESERT SLEDは19インチです。
こんなところからも、車両の特徴の一端を想像していただけたらと思います。
2019年10月29日
こんばんは。ディライト奈良の(ムルティ)西本です。
いきなりドォォ~ンとシフトペダルの写真をアップしました。
今回は、DQS(ドゥカティ・クイック・シフター)にスポットライトを当ててみます。
「クイック・シフター」は、レースシーンから生み出された装備です。
コーナーを抜けて加速していく時、当然シフトアップしますよね。
その際、普通はクラッチレバーを握って駆動力を途切れさせ、その間にギアチェンジをします。
しかし、そのような操作では駆動力が途切れとぎれになり、鋭い加速ができません。
それを、クラッチ操作を行わずにペダル操作だけでシフトアップを行い、無駄のない加速を実現させるのがクイック・シフターです。
操作は簡単!
スロットルグリップを適度に開いたまま、シフトペダルをアップする方向に操作します。
クラッチレバーは握りません。
それだけです。
上の写真中央の長方形の黒い部分がスイッチになっていて、シフト操作を電気的に検知して極短時間点火をカットし、駆動力の隙間をつくってそのあいだにギアチェンジを行います。
最近のDQSはシフトダウンの時にもクイックシフターが働いて、クラッチ操作なしでスムーズな減速ができるようなり、ライダーはブレーキ操作やライン取りに意識を集中させることができるようになりました。
「なら、クラッチいらんのちゃうか。」
いいえ、スタートや停車のとき、また渋滞時にゆ~っくりと進まなければならないときなど、一般道のほうが多彩なシチュエーションが想定され、クラッチ操作は不可欠になります。
たまに、クイックシフターと“ノンクラ(ノンクラッチ)”を混同されている方がおられますが、スクーターなどのノンクラ車にはニュートラルはなく、エンジン回転が低いときはニュートラルのような状態ですが、回転を上げると後輪に駆動力が自動的に伝わり、車両は前進していきます。
一般的な多段変速車には駆動力が後輪に伝わらない「ニュートラル」のギア位置があり、エンジン回転を上げても駆動力は後輪に伝わりません。
そうです、このDQSは、車両が走り出してしまえばクラッチレバーを操作する機会がほとんど無くなるため、長距離ツーリングのときの左手への負担が大幅に軽減されます。
サーキットで生み出されたDQSですが、一般道、特にツーリングシーンでライダーの疲れを少なくしてくれるので、多くの機種に標準装備もしくはオプション設定されるようになりました。
新しくなったムルティストラーダ950Sにも標準設定されているDQS。
ツーリングシーンでライダーの走りを支えてくれる、〔黒子〕のような装備です。