2019年11月07日
こんばんは。ディライト奈良の西本です。
安心・安全な走行に不可欠なABS(アンチ・ロック・ブレーキ)システム。
最新のABSシステムはただ単にホイールがロックしないようにしているだけではなく、前後のブレーキ力が連動して最適化される『コンバインド・ブレーキ・システム』になっています。
2019年以降のムルティストラーダ950や1260は6軸慣性測定ユニット(IMU)によって車体の姿勢が緻密に感知されるようになり、コーナリング中でも前後のブレーキ力のバランスを最適化しています。
さらに、走るシチュエーションによって、そこで用いられるライディングテクニックも異なるため、3通りのABS介入レベルが用意されています。
エンデューロ走行ではリアタイヤをロックさせてドリフトさせたりすることが多いため、ABS機能はフロントのみ適用されます(レベル1)。
スポーツ走行ではハードなブレーキングによるリアタイヤの浮き上がりが想定されるため、リアホイールのリフトアップ検出機能は無効となり、前後の制動バランスは最適化、コーナリングABSは機能します(レベル2)。
アーバンおよびツーリングでは安全性が最大に確保されるよう、コーナリングABSとリアホイールのリフトアップ検出機能は有効となり、前後のブレーキバランスもより最適化されます(レベル3)。
バイクの機能がライディングをきめ細かにカバーしてくれるので、より安全性が高まってきました。
しかし、基本にあるのはライダーの適切な操作であり、無茶をしないマインドです。
電子制御の間違った認識は、危険な走行につながっていきます。
バイクの安全性能、そして自分自身を過信しないよう、安全運転を心掛けてください。