2019年10月29日

ツーリングシーンの〔黒子役〕 ドゥカティ・クイック・シフター

ツーリングシーンの〔黒子役〕 ドゥカティ・クイック・シフター こんばんは。ディライト奈良の(ムルティ)西本です。

いきなりドォォ~ンとシフトペダルの写真をアップしました。
今回は、DQS(ドゥカティ・クイック・シフター)にスポットライトを当ててみます。

「クイック・シフター」は、レースシーンから生み出された装備です。
コーナーを抜けて加速していく時、当然シフトアップしますよね。
その際、普通はクラッチレバーを握って駆動力を途切れさせ、その間にギアチェンジをします。
しかし、そのような操作では駆動力が途切れとぎれになり、鋭い加速ができません。

それを、クラッチ操作を行わずにペダル操作だけでシフトアップを行い、無駄のない加速を実現させるのがクイック・シフターです。

操作は簡単!
スロットルグリップを適度に開いたまま、シフトペダルをアップする方向に操作します。
クラッチレバーは握りません。
それだけです。

上の写真中央の長方形の黒い部分がスイッチになっていて、シフト操作を電気的に検知して極短時間点火をカットし、駆動力の隙間をつくってそのあいだにギアチェンジを行います。

最近のDQSはシフトダウンの時にもクイックシフターが働いて、クラッチ操作なしでスムーズな減速ができるようなり、ライダーはブレーキ操作やライン取りに意識を集中させることができるようになりました。

「なら、クラッチいらんのちゃうか。」

いいえ、スタートや停車のとき、また渋滞時にゆ~っくりと進まなければならないときなど、一般道のほうが多彩なシチュエーションが想定され、クラッチ操作は不可欠になります。

たまに、クイックシフターと“ノンクラ(ノンクラッチ)”を混同されている方がおられますが、スクーターなどのノンクラ車にはニュートラルはなく、エンジン回転が低いときはニュートラルのような状態ですが、回転を上げると後輪に駆動力が自動的に伝わり、車両は前進していきます。
一般的な多段変速車には駆動力が後輪に伝わらない「ニュートラル」のギア位置があり、エンジン回転を上げても駆動力は後輪に伝わりません。

そうです、このDQSは、車両が走り出してしまえばクラッチレバーを操作する機会がほとんど無くなるため、長距離ツーリングのときの左手への負担が大幅に軽減されます。

サーキットで生み出されたDQSですが、一般道、特にツーリングシーンでライダーの疲れを少なくしてくれるので、多くの機種に標準装備もしくはオプション設定されるようになりました。

 

ツーリングシーンの〔黒子役〕 ドゥカティ・クイック・シフター 新しくなったムルティストラーダ950Sにも標準設定されているDQS。
ツーリングシーンでライダーの走りを支えてくれる、〔黒子〕のような装備です。




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