2025年05月29日
こんにちは、中村です。
片持ちスイングアームについて、スーパーバイクシリーズの観点から紐解いていきます。
【ドゥカティと片持ちスイングアームの歴史の始まり】
ドゥカティが最初に片持ちスイングアームを採用したのは、916STRADAです。
このモデルは1994年に発売され、ここからドゥカティの片持ちスイングアームの歴史がスタートしています。
916シリーズからスタートし、996、998へと進化。
最終モデルの998シリーズは2003年まで9年間続きました。
(一部2004年まで発売されたモデルもありました)
この当時、片持ちスイングアームを採用していたドゥカティのモデルは、このスーパーバイクシリーズのみでした。
*同じデザインで中間排気量の748シリーズにも採用されていた。
【片持ちスイングアームは終了していた】
998が終わり、次のフルモデルチェンジしたモデルは999です。
999は両持ちスイングアームで登場しました。
この時、ドゥカティはすでに片持ちスイングアームに性能面で見切りをつけていたという事だと思います。
998の後半、当時の998RS(SBKレーサー)に両持ちスイングアームを取付け、当時のワークスチームトップライダーであるカール・フォガティがテストしている写真があります。
レーサーでテストしているという事は、この時点で両持ちスイングアームの方が色々な面で有利と考えていたのは確か。
(今の時代に、916シリーズにこのスイングアームカスタムしたら、かなりイケてると思うのは私だけでしょうか?851を彷彿させる左右2本出しマフラーもカッコいい。)
【999シリーズは何故長く続かなかったのだろうか?】
両持ちスイングアームを纏い、フルモデルチェンジで鮮烈デビューした999シリーズも4年後の2006年に終了してしまいます。
この当時すでに現役で働いていた私はこう思っていました。
「999シリーズが早くに終了してしまった理由は、販売台数の伸び悩み。その原因はスイングアームではないか。」
販売台数のデータは持ち合わせていませんが、あくまでも私個人の持論です。
【性能かデザインか】
ドゥカティにとって最大のジレンマだったことでしょう。
ドゥカティとしては「性能を重視したい」という思いで両持ちスイングアームの採用に踏み切った思います。
しかし、マーケットではそのデザインが受け入れられなく、販売台数の低迷につながり、4年で終わらざると得なかった。と想像してしまいます。
正に、「性能重視かデザイン重視か」というジレンマがあったと思います。
そのジレンマの結果は次に発売されたモデルに現れました。
続く
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