ベストコンディションを保つ為には、毎回といっていいほどエンジンをオーバーホールしなければならない。

こういったオーバーホール作業もディライトで行っております。

エンジン担当
伊藤琢郎 (ディライト)
現在エンジンが3機ある。レース用車両分1機、スペアカー分1機、スペア単体エンジンが1機である。もちろんそれぞれにチューニングが施されて同じ状態になっている。

レース、練習、レース、練習の繰り返しでエンジンの消耗は激しくなり早いタイミングでオーバーホールをしなければならないのでエンジン担当の伊藤はお客様の車両の整備の合間にオーバーホールを進めている。

ただ、オーバーホールをしているわけではない。エンジンのローテーションも考えながら予定を組んでいる。 なぜならば、8耐に使用するエンジンは消耗の少ないベストコンディションのエンジンを使用しなければならないからである。

8時間を走りきることはエンジンにとってかなりのダメージになり、エンジン自体はクランクケースなど再使用不可能となる部分がほとんどである。
レーサーのエンジンオーバーホールは市販車のオーバーホールと比較すると異なる点が多い。

なぜ異なるかというと、エンジンの熱量が違うためシリンダーヘッドやクランンクケースの膨張率も変わり、各部のクリアランスはシビアになり一般のオーバーホールに比べ大きく異なるからである。



左の写真の台はエンジン用の移動可能なアルミ台である。マシンだけでなくこういった周りの道具も必要であれば作製し、より効率をよくする。

この専用台があればエンジンの脱着も容易である。
一見普通の台に見えるが使うととても便利なので使い方は次回紹介します。


エンジンはレースを大きく左右する。
同じエンジンでも組み方を間違えればパワーダウンする。

色々試すことが出来ればいいが、試すには時間もコストもかかるのでエンジンメカニックは経験とデータの双方を駆使し、最良の状態にエンジンを仕上げる。


エンジンを組んだ後は最後にタイミングベルトの調整を行う。調整はDDSを使用し的確に調整をする。
DDSでのタイミングベルト調整はベルトを手で弾き、その振動を測定し張力算出する方法になっている。

なぜこのような方法になったのか?―それは年々エンジン出力(パワー)が増している為、それだけベルトの管理に精密さが求められているからである。

ベルト調整はひとつ間違えばエンジンを壊してしまう可能性のある作業である為に非常に気を使う作業です。
レーサーのエンジンをオーバーホールするにあたり、クリアランスなどの数値は異なるが、作業内容はお客様の車両を扱う場合でもほぼ同じ内容になっています。